仏検対策は過去問、それとも問題集から? 合格の最短ルートを紹介
仏検5級〜1級の受検を考えている人向けです。
フランス語をある程度つづけてきたら、
- 「そろそろ仏検、受けようかな」
- 「とりあえず過去問を見てみたい」
- 「過去問はわかったけど、その先は?」
と思う人が多いのではないでしょうか。
じつはこれ、1→2→3の順に悩みが深くなっています。
- 興味をもって、試験について調べてみる。
- 次に問題を見ながら、自分が目指すべき「級」を見つける。
- 最後にその「級」の問題集を用意して、具体的な対策に入る。
以下では、1→2→3の順に仏検対策の方向性を書いていきます。
という方はひとつ飛ばして、目次の見出し「3」からどうぞ!
仏検、どのくらいの勉強で何級レベル?
仏検を考え始めたら、まずは自分がこれまでトータルで何時間、フランス語に触れてきたかを思い浮かべましょう。
「授業が週に○時間」「自習が○時間」というカウントで大丈夫です(もちろん、ふら塾の初級ロードマップも入れてOK)。
7つの級には「標準学習時間」「語彙数」の目安があって、それぞれ以下の通り。
・ 4級 100時間以上(語彙約 800語)
・ 3級 200時間以上(語彙約 1700語)
・準2級 300時間以上(語彙約 2300語)
・ 2級 400時間以上(語彙約 3000語)
・準1級 500時間以上(語彙約 5000語)
・ 1級 600時間以上(語彙数 制限なし)
※単語について、5・4・3級はこちらの公式基本語辞典(新訂版)から出題されます。
試験は例年、春と秋の2回(6月中旬・11月中旬)ということも忘れずに。
受検の日までにどれくらいの時間を確保できるかまで、考えてから出願しましょう。
合格点は例年、5・4・3・準2・2級は60点前後、準1級は60〜70点前後、1級は80〜90点前後です。情報のソースが気になる方は、こちらの公式サイトからどうぞ。
また申込み時期などの流れは、こちらの公式サイトから確認できます。
目指す級を決めて、過去問を見てみよう!
もちろん日々の学習は必要ですが、「仏検対策」という意味では問題演習が一番です。
ということで、さっそく公式サイトから無料で見てみましょう!
2回分が公開されていて、筆記試験はもちろん、リスニング試験の音声も確認できます。
・2011年度(1級は春季、準1~5級は秋季)の問題はこちら
・2015年度(1級は春季、準1~5級は秋季)の問題はこちら
各級の各問についてコメントすると膨大な量になるので、ここでは割愛しますが、できればまずは一度、解いてみるとよいでしょう。
「難しすぎる」と感じる級はNGですが、「簡単だな」と感じる級も考えものです(どうしてもその級が必要なら別ですが)。
語学の試験は「試験日までがんばって勉強することで力を伸ばす」きっかけとしても重要なので、個人的には(5級〜2級の場合)出願時点で50〜60点ほど取れる級を選ぶのがよいと思います。
問題集、どれがいい? 最短ルートで合格へ!
無料の過去問は便利ですが解説がないので、実践的な対策としては問題演習がベスト。
とはいえ、昔の私自身もそうでしたが、
という人も多いはず。実際、ひとつの級の対策本でも何種類もあります。
次のように、状況に応じて選べるとよいでしょう。
なお以下では、実践的な試験対策に絞っています。
仏検をめざす前提として、ふだんの勉強におすすめの教材をまとめて知りたい方はこちらの記事↓をどうぞ。
【最新版】レベル・分野別 フランス語おすすめ教材&参考書まとめ「フランス語に(再)入門したい」「ステップアップのための参考書がほしい」...と思って本屋に行っても、参考書が多すぎて選ぶのも大変!そんな人のために、この[…]
文法を復習しつつ、仏検の形式に慣れるなら
・『仏検合格のための傾向と対策』(白水社)
5級/4級/3級/準2級/2級/準1級/1級(※画像は3級)
「仏検の対策を始めたいけど、文法で忘れてるところがあるな…」という人には、わたしはこの本をおすすめしています。
各級、それぞれの大問に対応する「文法事項」のおさらいが書かれていて、わざわざ別の参考書を開かなくても、思い出しながら仏検形式の問題を解いていけます。
逆に言えば「とにかく問題とその解説だけあればいい」という人には、文法のおさらいコーナーがちょっと余計かも。そういう人は、下に挙げる『仏検公式ガイドブックセレクション』シリーズがよいでしょう。
とはいえ、『仏検合格のための傾向と対策』シリーズには仏検タイプの問題が、大問ごとにけっこうな分量収められているので、ふだんの勉強に加えて少しずつ慣れていく、という使い方にはとても効果があります。
仏検のリスニング、ガンガン鍛えたいなら
・『仏検対策 聴く力演習』(駿河台出版社)
5級/4級/3級/準2級/2級/準1級・1級(※画像は3級)
まず前提として、仏検のリスニングは、DELFなどと比べると分量・スピードともにさほど難しいわけではないです。
個人的には、ふだんの聞き取り学習に加えて、他の対策本にあるリスニングパートを練習しておけば大丈夫だと思いますが、とくに「仏検形式」のリスニングが不安で夜も眠れず、練習に力を入れたい人には、このシリーズがよいでしょう。
なお、リスニング一般とトレーニング方法については、こちらの記事↓も参考になるかと思います。
フランス語が聞き取れない? リスニング基礎力をつける方法と教材!フランス語は聞き取れない…… と思っているあなた。それは正しい方法で訓練していないだけかも知れません。まずは原因を分析して、どうして聞き取れない[…]
試験が近づいたら、とにかく問題数をこなす
・『仏検公式ガイドブックセレクション』(駿河台出版社)
5級・4級/3級/準2級/2級/準1級/1級(※画像は3級)
最終チェックの「前」にあと一歩力をつけたい人向けです。
次の『仏検公式ガイドブック』との一番の違いは、大問別に同じ形式の問題をたくさん練習できること。
解説が詳しい点はどちらも同じですが、『仏検公式ガイドブック』シリーズが模試形式で2回(当該年度の春・秋)分を収録しているのに対し、こちらの『仏検公式ガイドブックセレクション』シリーズは模試形式でない反面、収録されている問題数が多いです(級にもよりますが、5回分ほどあります。なお4・5級は合冊のため、それぞれの級の問題数は他の級より少なめです)。
試験直前には、やっぱり模試形式がベスト
・『当該年度版 仏検公式ガイドブック』(駿河台出版社)
5級・4級・3級/準2級・2級/準1級・1級(※画像は3・4・5級)
そしてこちらが、ほんとうの試験直前に、最後の確認をしたい人向け。
模試(実際には過去問)一式が入っていると思いましょう。解説は上に挙げた『仏検公式ガイドブックセレクション』シリーズと同じくらい詳しいです。
当該の年(春・秋)に出題された問題と解答・解説、さらに各設問の正答率まで載っているので、実力をはかって弱点を潰すのにピッタリ。
ひと通り勉強を終えた人の、最後の仕上げに役立つでしょう。
まとめ&動画でも対策!
仏検の過去問は公式サイトからすぐに見られますが、大事なのは見つけてからどうするか。
自分の力をはかって、ピッタリの級を見つけたら、後は努力あるのみです。
型の決まった試験なので「同じタイプの問題にたくさん触れて、間違ったところは解説を読んで理解」を繰り返せば、点数は確実に伸びていきます。
せっかくなら”試験のための試験”ではなく、試験日まで勉強するモチベーションづくり、としてしっかり利用したいですね。
ふら塾Youtubeでも、仏検の準備に役立つ動画を出しているので、ぜひ参考にしてください。
Bon courage !