仏検5級の合格点とレベル&出題範囲のオススメ勉強法まとめます
フランス語の勉強を始めてしばらく経つと、
「モチベーション維持のきっかけがあれば…」
「仏検5級、興味はあるけど、難しいの?」
と思うこともあるでしょう。
受検というと不安に思う人も多いですが、基礎力を問う試験なので、型に慣れさえすれば、独学でもじゅうぶん合格が狙えます。
仏検5級は、フランス語という新しい挑戦への扉を開く、よいきっかけになります。
この記事では、
・出題範囲はどのくらいあるのか
・「型に慣れる」ためにどういう勉強が効果的なのか
をまとめて紹介していきます!
仏検5級、どんな試験?
仏検5級は筆記試験30分、聞き取り試験約15分からなります。
スピーキング(面接)はありません。
全問、正解の数字を選択する【マークシート方式】です。
なお聞き取り試験の第2問だけ、聞き取った数字(01〜20)をマークします。
概要は以下の通り。セクションごとに問われる内容が細かく定められているので、対策が立てやすいです。
・筆記試験の構成(60点満点)
大問 | 内容 | 形式 | 配点 |
1 | 冠詞・指示/所有形容詞 | 選択 | 10 |
2 | 動詞の活用形 | 選択 | 10 |
3 | 語順整序 | 選択 | 8 |
4 | 正しい応答を選ぶ | 選択 | 8 |
5 | 関連語彙を選ぶ | 選択 | 8 |
6 | 絵にあう文を選ぶ | 選択 | 8 |
7 | 会話文の空欄補充 | 選択 | 8 |
・聞き取り試験の構成(40点満点)
大問 | 内容 | 形式 | 配点 |
1 | 正しい応答を選ぶ | 選択 | 10 |
2 | 数詞 | 記述 | 10 |
3 | 文にあう絵を選ぶ | 選択 | 10 |
4 | 文にあう絵を選ぶ | 選択 | 10 |
仏検5級の合格点は?
せっかく受検するなら、合格点を目指しましょう。
仏検5級の合格点は、60点です。
今後かわる可能性がないとは言えませんが、過去のデータを見るかぎり、現時点ではハッキリした基準点でしょう。
2021年秋のデータでは、受験者数(※出願者数ではなく、当日会場まで足を運んだ人の数)は1,842名、合格者数は1,576名です。合格率は85.6%。
例年、5級の合格率は80%台です。
当日会場へ足を運んだら8割がた合格、ということですね。
情報のソースが気になる方はこちらの公式サイトから確認できます。
とはいえ、問題はさほど難しくないので、失敗してしまった2割の人たちも「合格できたかも知れないのに、勉強方法がまずかった」というパターンが多いと思います。
「とりあえず授業を受けている」「文法書を頭からやっていく」といった勉強は、ふだんは大切ですが、目的が「仏検5級合格」なら、後で書くように効率よく進める必要があります。
勉強時間のめやすは?
仏検5級の標準的な学習時間は50時間以上とされています。
高校・大学で週1回の授業なら1年間、週2回の授業なら半年間の学習に相当。出題範囲も調整されています。
とはいえ、「なんでもいいから、とにかく50時間」では合格できるとは限りません。
仏検5級はきちんと型のきまった試験なので、次に書くような対策にきちんと時間をかけましょう。
申込みはいつまで?
仏検5級の申込みは通常、願書郵送なら試験の約1か月前まで、インターネットなら試験日の約3週間前まで。
春季の申込み期間は、4月〜5月中旬、秋季の申込み期間は、9月〜10月中旬です。
春季・秋季とも出願の時期など、こちらの公式サイトから確認できます。
仏検5級、具体的な対策は?
まずは過去問でレベルチェック
以下では、ふだんの学習ではなくあくまでも【仏検5級合格】のための効果的な対策方法に絞って、重要な順に書いていきます。
仏検5級を受検しようか検討している時点で、すでにフランス語学習を進めている段階だと思います。
とはいえ、おそらくそれは【仏検用】の勉強ではなく、一般的なフランス語学習でしょう。
「仏検の型」を知って、それに合わせた対策をするだけでも、単純に点数は伸びます。
とにかくまずは早い段階で「仏検5級」(こちらの公式サイトから無料で確認できます)の過去問を1回分解いてみることを、強くオススメします!
過去問解いてみて、合格点の60点が取れていましたか?
自分が明らかに点数を取れていない大問があれば、まずはそのセクションに対応する表現の暗記や文法事項から対策を始めましょう。
押さえておくべき出題範囲は?
仏検5級の出題は、いわゆる高校・大学で勉強するような仏文法の「前半」をきちんと勉強できているかを問うものが多いです。
こういった内容、きちんと頭に入っていますか?
・定・不定・部分冠詞、前置詞と定冠詞の縮約
・指示形容詞、所有形容詞
・人称代名詞とその強勢形
・動詞の活用形(直説法現在、近接未来/過去、命令形。不規則変化に注意)
・形容詞・副詞の位置/非人称構文
・数量表現(「多くの」「少しの」「どれくらいの」)
・疑問文(疑問形容詞/疑問代名詞を含む)
・否定文
独学の場合はまず文法の参考書を読み、少しでも抜けているところがあれば潰していくことから始めましょう。
ちなみに、ふら塾Youtubeの文法解説シリーズ「初級ロードマップ」では、無料で上記の範囲をおさらいすることができます。
仏検5級は出題範囲が限られているので、「どこが試験に出るか」をきちんとチェックして対策できるかがポイントになるでしょう。
単語・表現の暗記をしっかり
仏検5級に必要な語彙数は約500語とされています。
なかでも筆記の第5問には、語彙を選ぶ問題がありますね。
また、文法事項がそんなに難しくないぶん、単語や表現を暗記するのがとくに重要になります。
暗記のコツはこの動画↓でも言いましたが、1単語にじっくり時間をかけるのではなく、むしろ1単語にかける時間は1分くらいでいいので、市販の単語帳を1冊、何周もすることです。
単語帳はたくさん出ていますが、5級に対応したオススメを1冊挙げるなら、松川雄哉『仏検5級レベル重要単語』になります。
必要な約500語が、その発音記号とともに綺麗なレイアウトで並んでいます。
上記の動画でも言いましたが、初学のうちから発音記号のきちんと載ったものを選んだ方が、上達が早いのでオススメです。
ちなみに、4級・3級も引き続き受ける予定のある人には、『仏検公式基本語辞典3級・4級・5級 新訂版』がオススメ。
仏検公式のもので、問題は基本的にこの単語帳から出題されます!
いずれにせよ、毎日コツコツ続けることがいちばん大事なので、自分に合った単語超で進めるようにしましょう!
リスニングは難関じゃない!
人によっては「リスニングが心配」と思うかも知れませんが、仏検5級に関する限り難易度は高くありません。
過去問を解いてみて、リスニングが難しく感じる場合、単純に単語や表現の暗記が足りていない可能性が高いです。
そもそも仏検5級では、聞き取り試験のどの大問についても3回音声が流れ、スピードも速くありません。
つまり、聞き取り試験もリスニングの問題というよりは、実質的に語彙の問題という性質が強いのです。
もちろん日々の勉強としてリスニングをするのはとてもよいと思いますが、試験対策という意味では、文法の学習と単語の暗記最優先で大丈夫。
数詞については、後に続く語とのリエゾンも含めて「1〜20」を完璧しておきましょう。
おすすめ教材&「ふら塾」動画で効果的に対策しよう
5級の対策教材はこちら
「いろいろな種類がある仏検対策テキストについてまとめて知りたい」という方は、こちらの記事↓で整理しているので、ぜひご覧ください。
仏検対策は過去問、それとも問題集から? 合格の最短ルートを紹介仏検5級〜1級の受検を考えている人向けです。フランス語をある程度つづけてきたら、 「そろそろ仏検、受けようかな」 「とりあえず過去問を見てみたい」[…]
その上で、とくに【仏検5級】対策としておすすめできる教材は、以下の通り。
・藤田裕二『仏検合格のための傾向と対策 5級―実用フランス語技能検定試験』(駿河台出版社)
はっきり言って、ふだんの勉強の他にこの1冊があれば【仏検5級】の対策には十分だと思います。
各大問に対応する「文法事項」をおさらいする説明があり、別の参考書を開かなくても、この一冊があれば思い出しながら仏検形式の問題を解いていけます。
巻末には「仏検5級対策単語集」がまとめられているので、チェックにも効果的。
上に書いたようにまずは過去問1回分を解いてみた後で、とくに点が取れなかったセクションから優先的に「問題を解く→解説を読んで理解」のサイクルを繰り返すとよいでしょう。
なお、文法のおさらいは不要で「とにかく仏検タイプの問題とその解説だけあればいい」という人は…
・それぞれの大問形式に対応する練習問題の多さで選ぶなら『仏検公式ガイドブックセレクション』シリーズ
・全体の問題数が多少すくなくても、本番さながらの「模試形式」で選ぶなら『当該年度版 仏検公式ガイドブック』シリーズ
がおすすめです。
「ふら塾」Youtubeで仏検対策!
「ふら塾」Youtubeでは、仏検5級対策になる動画を無料公開しているので、よければ是非チャンネル登録をお願いします。
・文法解説シリーズ「初級ロードマップ」
初級ロードマップ(Youtubeはこちら)は、フランス語文法をコンパクトにまとめて、おさらいするシリーズ。
鋭意更新中ですが、すでに公開ずみの内容で5級の出題範囲は大部分カバーしています。
「フランス語に入門・再入門したい!」そんな人のために、初級文法の大事なところだけをピックアップ!すべての動画は、ふら塾の再生リスト「初級ロードマップ」から見られます。サムネイルはポップですが、内容は学校の授業をイメージし[…]
・単語・動詞活用の聞き流しシリーズ
面倒な暗記作業はすきま時間に、聞き流しシリーズ(Youtubeはこちら)で覚えてしまいましょう。
各種、聞き流し動画を同じくYoutubeで用意しています!
ふら塾では、学習を効率化するための「きき流し」動画を配信中。よければこちらからチャンネル登録して頂けると、すぐに見られて便利です。現在、単語帳シリーズと活用シリーズがあります。 (adsbygoogle[…]
おわりに
仏検5級対策に絞って、合格のためのポイントを書いてきました。
出題範囲が限られているぶん、きちんと学習すれば難しい試験ではありません。
フランス語 上達への第1歩として、ぜひ楽しんで勉強を進めてみてください。
みなさんの合格を願っています!