【10ステップ】フランス語の勉強を始める人むけの独学アドバイス

フランス語の勉強をひとりで進めようと思うと、なかなか難しいですね。

単語や文法がうまく続かず飽きてしまい「そもそも何から手を着けたらいいの…」なんてことも。

この記事ではフランス語歴10年以上、毎年フランス語を初級から教えているわたしが、昔の自分に伝えたかった勉強法をご紹介します!

JUKUCHO
YouTubeのフランス語講座もよろしくネ!

10ステップで解説! フランス語の勉強を始める人むけの独学法

突然ですが、これからフランス語を始めようとしているor最近始めた人でこの記事を読んでいる人はラッキーです。

この記事では、わたしが自分自身の経験およびこれまでフランス語を教えてきた経験から、こうすれば独学でも効果的に進められる! という方法を解説しています。

ノウハウを詰め込んだぶん少し長くなりますが、内容は10ステップ。

全体に関わる2ステップと具体的な日々の勉強に関わる8ステップにわかれています。

「大学の単位を取りたい」「受験に必要」「急な転勤が決まった」など、フランス語を学ぶ理由は人それぞれ。

とはいえ、「できるようになる→モチベーションが高まる」のサイクルは誰にとっても重要です。

フランス語をものにするために、ぜひこの記事を参考にしてみてください!

 

まずは目標を立てよう

フランス語の勉強を始めたら、あと一歩踏み込んで自分の目標を設定しましょう!

「フランス語を使わないと生活に困る」という環境にいるのでもない限り、いつもモチベーションを維持するのはなかなか大変ですから。

そうならないためにも、おすすめはその目標を紙に書いておくことです。

じつは、大学でフランス語を始めたわたしも「ふだん使わない言語を一体なんのために?」と途中でやる気を失いかけたことがあります。

じゅくせい
えー目標を書くなんて面倒…
JUKUCHO

と思ったそこのあなた、考え方が逆です!!

数秒考えて紙に書くだけで上達スピードが上がるなら、やってみない手はない!

さあ。その辺にある紙や手帳をいま手に取って、書いてみましょう。

誰のためでもなく、自分のために。

できるようになりたいことを言語化することで、結果的に漫然と進めるよりも早い上達が見込めます。

たとえば…

・単語帳を1か月で1周する
・半年後に仏検4級を取得する
・NHKのフランス語番組を毎週見る

みなさんの場合はどうですか?

いちばん最初なら「毎日がんばる」「第2外国語の単位を取る」のようなザックリしたものでもよいです。

でも、具体的目標を定めるために、できれば「いつまでに・なにを」が明確になった文章がベターです。

ルーティン化する 〜毎日触れる、が基本〜

ルーティン化できるものを見つけて、毎日フランス語の「なにか」に触れるようにしましょう。

理由は単純で、語学は単純に触れた時間に応じて上達し、また忘れにくくなるからです。

言い換えれば、語学を生活の一部にすれば最強です

とはいえ、毎日ひとりで文法と単語を積み上げていける、というストイックな人は別にして、慣れない言語に戸惑って疲れてしまう人もいるかと思います。

そういうときでも「今週は休憩…」と完全に勉強をストップせず、たとえ5分ずつでも毎日触れると結果はずいぶん違ってきます。

コツは、ふだんの生活の中にフランス語を取り入れていくこと。

たとえば、

・料理やワインに興味があれば、関連する単語を少しずつ拾っていく
・読書が好きなら対訳本を数行ずつでも読んでみる
・シネフィルならフランス語で映画を観てみる

あるいはもっとお手軽には、

・毎日フランス語の歌を聞く
・毎日フランス語でアニメを1話観る
Duolingo を携帯に入れて、毎日ゲーム感覚で覚える
・壁に動詞活用表を貼っておいて、毎日眺めて覚える

というのもいいですね。

JUKUCHO
目で読む、耳で聞く、口で話す、手で書く機会を増やした分だけ早く力がつきます!

勉強のモチベーションがうまく上がらないときは、自分の関心があるコンテンツに5分触れるだけでも大丈夫。

とにかく毎日フランス語に接するようにしましょう!

独学へ向けた具体的なアドバイス

それぞれの目標や関心によって勉強のやり方やスピードはさまざまだと思います。

でも、ある程度までなら誰にでも共通する効果的な方法があるのも事実

以下ではそうした、いちばん基本的な「独学のはじめかた」8ステップを見ていきましょう!

 

こまめに辞書を&単語帳は、かならず作ろう

基本的なことですが、ふだんの生活・勉強のなかで出会った知らない単語は単語帳にメモしていくようにしましょう。

というのも、単語帳を作らない語学学習はないからです。

その際、さらに工夫すべきポイントを挙げるなら

・単語だけでなく、品詞もあわせて書く
・名詞は冠詞と一緒に覚える(場合によっては色分けも)
・見つけた使われ方(文脈)を合わせて書いておく

といった点に気をつけるとよいでしょう。

とくに3つめについては、辞書の用例をそのまま写すのも悪くはないですが、できれば出会った通りのもとの文脈を書き残しておく方が効果的です。

「この単語、わからないなあ」という気持ちを喚起した文章の記録を残しておくことで、記憶がいっそう定着するからです。

また、作りっぱなしはよくないので、とくに最初のうちは頻繁に、できれば毎日見直していく習慣をつけましょう。

とくに、夜に単語帳を覚えて、朝起きてすぐもういちど思い出す、というサイクルが記憶の定着には効果的。

JUKUCHO
しかも、最初のうちほど携帯やタブレットにメモするのではなく、やはり手書きでノート作るのがいいですね

そして出会った単語の意味を調べるには、辞書が必要です。

言うまでもないことですが、練習もかねてこまめに引きましょう!

ごく初期のうちはオンラインで調べたり、テキストの端に載っている単語帳でも用が足りるかも知れません。

でも上達のスピードが変わってくるので、継続する予定なら早い段階で辞書を用意することをオススメします。

ちなみにおすすめ辞書については、この記事↓でまとめています。

興味のある方は覗いてみてください。

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正しい発音を意識する

市販の単語帳を覚えるにせよ、自分で作った単語帳を見直すにせよ、かならず正しい発音で覚えることを意識しましょう。

これは、案外できない人が多いです。

(とくに母音の)発音の重要性はサイトでも動画でもたびたび言及していますが、あらためて箇条書きでまとめると、

・自己流の発音で覚えても通じないので意味がない
・発音できない単語は聞き取ることもできない
・校正機能を使えば書けなくても困らないが、音で理解できないとかなり困る

といったあたりが注意点です。

じゅくせい
でも、最初は発音よりとにかく語彙を増やさないと…

と思うかも知れませんが、適当な発音でたくさん覚えても通じないので意味がありません。

とくにフランス語は母音が 16(半母音を入れると19)あるので、ちゃんと通じる音が出せるようになるには練習が必要なのです。

この動画↑でも紹介していますが、「口腔母音」をマスターするだけでもだいぶ発音の仕方が変わります!

もちろん市販の教材でも大丈夫。

とにかく、一刻も早く正しい音の出し方を覚えてしまいましょう!

市販の単語帳も活用する 〜声に出して高速回転〜

上の作業とあわせて市販の単語帳で単語を覚えていくと、いっそう効果的です。

ちなみに、おすすめの単語帳を記事の最後に紹介しています。

ただし、暗記をするときの注意点がふたつ。

✅️ 発音記号を見て、正しく発音しながら覚える
✅️ それぞれの単語の暗記に時間をかけすぎない

✅️ 1つめについては、すでに上で触れた通り、まず発音記号を見て正しい発音ができるようになっている前提です。

(繰り返しになりますが「口腔母音」だけでも。子音はまあ後回しでもいいです)

そのうえで、覚えるときに口に出して、自分の声を聞きながら意味を暗記しましょう。

あるいは音声CDがついている教材なら積極的に活用して正しい音に続いて発音しながら覚えていくことです。

「紙に書きながら覚えるか」については目標次第ですが、個人的にはひとまず後回しでもいいように思います(文法や動詞活用など、他にも覚えることはたくさんあるので)。

絶対に正しいスペルを暗記していきたい! という人は「書きながら暗記」を実践するとよいでしょう。

ただしその場合でも、同時に単語を口に出して覚えた方が記憶に残りやすいのは同じです。

もっとも、正しいスペルを「手で書く」力は、試験では依然として重要なスキルですが、最近は校正ツールや自動変換機能も充実しているので、パソコンや携帯で打つ場合に苦労することは少なくなってきました。

✅️ 2つめについては、それぞれの単語を覚えるのに時間をかけすぎないよう注意しましょう。

具体的には、用例も含めて1単語1分くらいでいいと思います。

人間の記憶は、それを思い出そうとしているときに強く残ることが分かっています。

「あれ? あの言葉なんだっけ…」と苦しい思いをするほど、じつは定着するのです。

ということは、単語ひとつに時間をかけて1回で覚えようとしても無理な話。

むしろ1単語にかける時間は毎回短くても、何周もした方が効果的ということですね。

このやり方の場合もやはり、夜に単語帳を覚えて、朝起きてすぐもういちど思い出すサイクルが記憶の定着には効果的です。

最初は「そんなものかな?」と半信半疑かも知れませんが、続けていけば徐々に体感できるはず。

ぜひ実践してみてください!

文法書1冊、とりあえず通読する

無理なく毎日続けるのが一番。とはいえ、文法はサラッとでも一通り押さえておく必要があります。

(ちなみに、おすすめの参考書については、この記事の最後に紹介しています。)

どんな目標&スピードで進めるにせよ、言うまでもなく文法はすべての土台だからです。

早い段階で薄い文法書を1周、ぜんぶ読んでおおまかな流れはつかんでおきましょう

真面目な人ほど、細かい内容を覚えることにこだわって「5課までしか進んでないのに疲れてしまった…」ということがよくあります。

そういう人に声を大にして言いたい。

JUKUCHO
覚えなくていいからとにかく文法書を1冊、読み通しましょう!

細かいことを覚えたければ、その後で2周目に入ればいいのです。

たいていの文法参考書には小さな練習問題がついているので、一通り読んだらチェックの意味もかねて解いていきましょう。

ただし、こちらも1周目はさらっとでいいです。

それよりはむしろ、文法事項の暗記についておすすめ方法をひとつ。

1課ぶん(あるいは1セクション分)をさっと読んで、内容が理解できた! と思ったら、テキストを閉じて、いま読んだばかりの内容を自分の言葉でまとめてみましょう。

これは語学と関係のない、日常的な読書の場合にも使える方法ですが「頭に入った」と思うことと、自分で言語化・整理できることは別です。

内容をまとめる自分の声をスマホのアプリなどで録音しておけば、同時に自分用の復習材料にもなりますね。

この訓練を毎回しておくと、ただ読んでいるだけより定着する度合いが高くなるので、ぜひ実践してみてください。

動詞の活用は少しずつ覚えよう

英語とは違うフランス語の難関、その最たるものは動詞活用の複雑さでしょう。

ひとつの時制について1から3人称、単数・複数で6パターンの変化形があるうえに、叙法も複数あるので、たったひとつの動詞に対して最終的には90通りほどパターンを覚える必要があります。

じゅくせい
がーん…

気の遠くなるような作業ですが、学問に王道なし。

現在形から順番に、シンプルに覚えるしかありません。

フランス語動詞の9割以上は規則活用とはいえ、よく使う動詞ほど不規則変化をするので、けっきょく不規則変化動詞をかなりの数、覚えることになります。

すでに書いたように、目に見える位置に変化表を貼っておくのも一法です。

(じつはわたしも昔やっていました。賃貸の場合は壁紙の日焼けに注意… 体験談です)

また、ある程度覚えたら動詞変化アプリこの記事でも紹介しています)の一部についているゲーム機能でチェックするのもよいでしょう。

ちなみに、すきま時間にも動詞活用に触れられるようふら塾では「聞き流し動画」を配信しています。

興味のある方は覗いてみてください↓

リアルなフランス語を体感しておく

聞くというのは、ちょっとした休憩時間や移動中にもできる行為なので、どんどん日常に取り入れましょう。

TV5 Monde の初心者レベル(A1)を見てみる
・フランス語で映画を観る
・フランス語でアニメを観る

などなど、方法はいろいろあります。

また、好みのフランス語の歌やYoutube動画を調べてみるのもよいでしょう。

実践的なアドバイスとしては、自然なフランス語の「会話場面」を聞くようにするとよいでしょう。

映画やアニメはその点、前後の流れや、感情・表現が(とくにアニメは極端なまでに)はっきりしているのでおすすめです。

「こんな気持ちのときはこんなふうに言うんだ…」というのを意識しながら、場合によってはメモをとりつつ「多聴」を心がけましょう!

たくさん読もう

ある程度、単語と文法の知識が入ってきたら、少し長い文章を「読む」という段階に進んでみましょう。

たくさん読んで文法力を実践の場にうつすことこそ、上達への近道です。

とはいえ、よほど読みたい本があるのでない限りは、何を読んだらいいのか迷ってしまうかも知れません。

そういうとき、もちろん長文の載った参考書でもいいのですが、左ページにフランス語、右ページに日本語が載っているといった「対訳本」はおすすめです

アドバイスをひとつ挙げるとすれば、参考書にしても対訳本にしてもぜひ「音声」があるものを選びましょう

とにかく読む・聞く・話す・書く回数をできるだけ増やすのが鉄則。

まずは黙読でだいたい意味がつかめたら、音声を聞きながら読む、同時に少し遅れて自分でも声に出してみることで、いっそう効果的な練習になります。

JUKUCHO
この練習方法を「シャドーイング」と言います。
具体的な方法についてはこの記事でも紹介しています!

イメージを駆使したアウトプットを

初級のうちはどうしてもインプット中心の勉強になりがち。

もちろん知識を吸収するのは大事ですし、「フランス語を話せる相手が周りにいない」という場合もあるでしょう。

とはいえ、少しずつ話す練習も積み重ねていけば、もう中級は目の前です!

奇妙に聞こえるかもしれませんが、話す練習についてはわりと一人でもできて、相手がそこにいるイメージでセリフを声に出します

まずは、できるだけ自然なフランス語会話(対話形式がわかりやすくていいです)とそのスクリプトを用意しましょう。

次の記事↓で紹介しているサイトから探してもよいですし、お気に入りの映画からでも、NHKゴガクのフランス語番組でも大丈夫です。

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そしてそのスクリプトを、今まさに自分がその場にいるような気持ち、感情になって、できれば身振りなどもつけて、自分で口に出してみるということをやってましょう!

じゅくせい
そんなに大げさにしなくてもいいんじゃ…
JUKUCHO
情景を思い描きながら、演劇的にやるところに意味があります!

やってみればすぐに体感できます。

セリフを感情を込めて口にすることで「こういう状況・気持ちのときにこう言う」というパターンがストンと自分のなかに入ってくるでしょう。

単語帳のところでも書いたように、表現が使われる「文脈」ごと覚えるのが大切。

さらに記憶に残りやすくするために、ぜひ感情をこめて声に出す練習をしてみてください!

初心者ならこの2冊!

じゃあ具体的にどんな参考書を使えばいいの? という点が気になる人もいるでしょう。

以下ではほんとうにこれから勉強を始める初心者の方で、フランス語力を自習でどんどん高めていきたい! というときにおすすめの本を2冊だけ紹介します(単語と文法1冊ずつ)。

たしかに単語・文法ともに、インターネットで無料コンテンツを見つけることはできますが、毎回こまごまと調べるのと手元に本があるのとでは効率が全然違います。

もしフランス語をほんとうに勉強しようと決めているなら、次の2冊は「初期投資」として買っておいて損はありません。

おすすめの単語帳
松川 雄哉『仏検5級レベル重要単語』(語研)

多数ある類書のなかでもとくに親切で、単語帳の中ではかなりオススメです。

すべての単語に発音記号がついていて、もちろん音声教材あり。レイアウトも綺麗で、モチベーション維持にも問題ないでしょう。

発音記号を見ながら、単語を実際の発音と照らし合わせることができるうえ、例文とともに暗記することで、効率よく覚えることができます。

おすすめの文法参考書
学研教育出版編『フランス語をひとつひとつわかりやすく。―超基礎からの個人授業

初心者向けの文法参考書はいくつかありますが、そのなかでも一般にモチベーションが保ちやすく「最初の1冊」として断然おすすめできるのはこの本です。

初心者にやさしいレイアウト・大きい文字もさることながら、特徴は初心者に必要な情報を絞った「軽さ」にあります。

文法理解(大学初年度の学習なら半年分くらい)をサッと回すための1冊なので、別に内容をぜんぶ一気に覚えようとしなくて大丈夫です。

初心者の場合、大事なのはとにかく挫折せずに読み通すことですから。

他の学習サイトなどでも紹介されているのをよく見かけますが、それだけ広く頼られている証拠ですね。

その他、目的別のおすすめ教材については、こちらの記事↓でまとめているので、興味のある方はテキスト探しの参考にしてください。

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語学は音楽の練習に似ています。1日サボると自分でわかる。2日サボると周囲にわかる。3日サボるとみんなに分かる…

とはいえ、必ずしも毎日、文法テキストを開かなくても大丈夫。

10ステップ紹介しましたが、できそうなことから始めましょう。

大事なのはどこからでもいいので、とにかく今日から実践してみること。

みなさんがフランス語学習を効果的に進めて、1日もはやく初級を卒業できるよう応援しています!

(追記)このページとほぼ同様の内容はこちらの動画↓でも紹介しています。

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