【最新版】フランス語学習におすすめの紙辞書・電子辞書7選
先生に聞いてみるとしても、自分のなかでポイントをしぼってから尋ねると、的確に答えてもらえるかも知れません。
とはいえ「身近に聞ける人がいない!」という場合もあると思うので、ここでは個人的におすすめできる辞書を7つ紹介していきます。
※この記事の内容は、以下でも紹介しています。「動画の方が便利」という方はこちらからどうぞ
紙辞書 vs 電子辞書・辞書アプリ
現在あなたは、フランス語を始めてどのくらいになりますか?
1年未満なら、まずは紙辞書をおすすめしたいところ。もちろん、すでに電子辞書や辞書アプリを買っている人でも大丈夫。将来もっと役に立つ時がきます。
最初のうちほど、やはり紙面全体がパッと目に入る方が結果的にメリットが大きい。
というのも、フランス語はひとつの単語が多くの意味を担う言語だからです。
多くの見出し語には複数の項目があり、用法もさまざま。
それに対して、電子辞書や辞書アプリは、初級文法を一通り終えたうえなら便利だと言えます。
たどり着きたい情報が大体わかっていて、それを参照しにいけるからですね。
また当然ながら、
・突然何かを調べたくなったとき
電子辞書・辞書アプリが役に立つことは、言うまでもありませんね。
紙辞書と電子書・辞書アプリには異なったメリットがありますが、長所とタイミングをよく考えて賢く利用していきましょう。
【最新版】おすすめ辞書7選はこちら!
以下ではいま現在、おすすめできる辞書を紹介していきます。
大きく分けて、以下の4つがあります。
・中級むけなら、さらに収録語彙数の多い「中辞典」
・より広く専門用語までカバーした「大辞典」
・普段づかいに便利な「電子辞書・辞書アプリ」
「学習辞典」は自分の目的に合わせて選ぼう!
初級の頃にまず一冊もっておきたい「学習辞典」でオススメできるのは、以下の4つ。
それぞれに特長があるので、自分の目的に合ったものを選びましょう。
「そう言われても、とくに目的がない」という人なら、現時点で一番おすすめできるのは「プチ・ロワイヤル仏和辞典」です。
・収録語数が多いものが欲しいなら「クラウン仏和辞典」
・類語の使い分けや語法を丁寧に押さえたいという人には「プログレッシブ仏和辞典」
が、それぞれオススメです。
【おすすめ1】プチ・ロワイヤル仏和辞典 第5版
辞書は、誤植の修正や新しい語彙の収録といった観点から、原則的に出版年が新しいものほど信頼できます。「プチ・ロワイヤル仏和辞典」は、2020年に改訂第5版が出ているので、現時点でもっともおすすめできる学習辞典でしょう。
収録語数は約45,000と学習仏和辞典としては十分です。単語の意味を提示するだけでなく、文法説明にも定評があり、また会話表現が枠囲みで見やすいレイアウトになっているなど、レイアウトの面でも初心者にやさしく、使い勝手がいいのが特徴。巻末付録には簡単な和仏インデックスもついています。
やや小さい文字でも問題なければ、内容が同一の小型版にすれば持ち運びにも便利ですね。
また、購入者を対象とした、プチ・ロワイヤル仏和辞典(第5版)特典サイトもあります。
【おすすめ2】クラウン仏和辞典 第7版
上のプチロワイヤルと甲乙つけがたい、日本初の本格的な学習仏和辞典の最新版。枠囲みが少ない代わりに、見出し語約47,000(収録項目約63,000)と学習辞典の中では最も内容が充実しています。
ところどころに説明に対応するイラストや写真が載っているのも楽しいです。ただし最新改訂が2015年とプチロワイヤルよりは少し古い、という点で今回は次点に。
とはいえ、仏和辞典の最後に和仏インデックスがついているのは特徴的で、簡単なフランス語作文の際には重宝します。じつはわたしも、一番最初に買った時点がこれでした。こちらも小さいサイズがあるのは嬉しいですね。
また、購入者を対象とした、ウェブ音声サービスもあります。
【おすすめ3】ディコ仏和辞典新装版
最新改訂2016年。収録語数は35,000と、学習仏和辞典としては標準的なものです。
この学習仏和辞典の特徴は、例文がやさしく日常的な表現に特化している点です。学習の目的が、人とコミュニケーションをとることより、フランス語文献を読みこなすことだという人にはあまり向きませんが、日常生活で使える実践的な表現をメインで押さえていきたい人にはこれがおすすめ。
枠囲みの説明やイラストの少ない、比較的シンプルなつくりだと言えるでしょう。中級以上でも使いでのある、全体的によく構成された辞書だと言えます。
【おすすめ4】プログレッシブ仏和辞典 第2版
収録語数は35,000とこちらも標準的な学習仏和辞典。最新改訂が2008年なので、そろそろ新版が出てほしいところ。ただ上記の3冊との最大の違いは、比較欄や語法欄が充実していることです。
また、動詞については、それを用いる際の文型・構文を合わせて示しているので、学習者に非常に親切です。図版や枠囲みの記事も多いことも視覚的な理解のしやすさに繋がるでしょう。
収録語数やレイアウト、解説のバランスの面でいわば上記3冊の中間的存在といえ、中級以上でも十分に活用できる点が魅力的な辞典です。
その他学習辞典
なお、上記の他に、『ジュネス仏和辞典』(1993年)や、日本における初代仏和辞典とも言うべき『新スタンダード仏和辞典』(1987年)などもありますが、出版年が古いのと、それを補って余りある特別な利点が見つからないことから、興味から手にとってみる場合は別として、あまりおすすめできません。
アップデートがない限り、時間が経つにつれて役目を終えてしまう、というのが辞書の宿命なのかも知れません。
【おすすめ5】「中辞典」ならロワイヤル仏和辞典!
仏和中辞典のなかで、確信をもっておすすめできるものを、1冊挙げるとすれば、『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(2005年)になるでしょう。
見出し語は90,000と学習仏和辞典と比べると大幅に増えることがわかります。 2005年版で改訂が待たれるものの、用例も豊富で情報量が多く、2色刷りでレイアウトも見やすい。フランス語系の研究者が座右においていることもあるほど、上級まで長く付き合うことができます。
ただし情報量が充実しているぶん、初学者にはやや使いこなすのが難しいかも知れません。そういう意味では、学習仏和辞典をある程度使ってきた人、中級以上で文献としっかり向き合う必要のある人にとてもおすすめです。
【おすすめ6】「大辞典」ならロベール仏和大辞典!
現在刊行されている仏和辞典のなかでもっとも規模が大きく信頼できるものといえば、やはり Le Petit Robert をもとにした、小学館の『ロベール仏和大辞典』(1988年)です。
収録語数は120,000と文字通り一桁違い、専門用語を含めて用例もかなり充実しています。大学院へ進んで本格的にフランス語を極めようとするのでない限り、なかなか買う勇気が出ないかも知れませんが、座右に置いておくことで、得られるものは計り知れません。
ちなみに同じく大辞典としてはもう一つ、単語を全方位的に描き出すことを旨とした白水社の『仏和大辞典』(1981年)があり、フランス語フランス文学の碩学が編纂したものですが、用例を含めた実質的な有用性および刊行年等を総合的に考慮すると、『ロベール仏和大辞典』の方に軍配が上がりそうです。
【おすすめ7】電子辞書ならCasio & アプリ最大の利点とは?
電子辞書なら実質的に1択、おすすめできるのは「CASIO Ex-word フランス語モデル」だけです。基本的に毎年、新しいバージョンが発売されていて、2020年版はこちら。
すでに紹介した『小学館 ロベール 仏和大辞典』、『ロワイヤル仏和中辞典』、『プチ・ロワイヤル仏和辞典』に加えて、『プチ・ロワイヤル和仏辞典』『オックスフォード フランス語辞典』(英仏および仏英辞典)、『PETIT ROBERT仏仏辞典』などを収録した、フランス語特化のプロフェッショナル・モデルです。
国語系、英語系のコンテンツも数多く、一台購入すれば幅広く使えるのが嬉しいですね。当然紙辞書1冊よりはお値段もかかりますが、収録されている辞書の利点が集約されていると考えれば、その価値は十分にあります。
とくにフランス語に関して言えば、たくさんの辞書の同時検索ができる点が、紙辞書とも辞書アプリとも違う、最大のメリットでしょう。
内容としての辞書自体は、すでに上で紹介しているので繰り返しませんが、日本語を含んだ主な辞書アプリでは
・「学習辞典」では『プチ・ロワイヤル仏和辞典』(第5版)および『プチ・ロワイヤル和仏辞典』(第3版)
・「大辞典」では『ロベール仏和大辞典』
が販売されています。ただし、アプリは紙の辞書に比べて版が古い場合があるので、その都度よく確認しましょう。
このうち、動作の正常性とサポートの観点から『クラウン仏和辞典』は現時点であまりおすすめできないのですが、『プチ・ロワイヤル(仏和・和仏)』あるいは『ロベール仏和大辞典』ならば使い勝手がよいと思います。
強いてどちらか選べと言われれば、
・中級以上ならば『ロベール仏和大辞典』
ということになるでしょう。
紙辞書にも電子辞書にもない「アプリ最大の利点」は仏和辞典を和仏辞典のように使うことができることです。
少しわかりにくいかも知れないので説明すると、電子辞書の仏和辞典で検索できるのは、基本的にフランス語ですね。
検索窓に日本語を入れるという操作は、和仏辞典の場合ならできますが、仏和辞典の場合には難しい。
ところが、アプリなら仏和辞典の検索窓にフランス語でも日本語でも入力することができ、実質的に仏和辞典が和仏辞典のように使えるのです。
検索窓に日本語を入れた場合、おもに例文の訳として記載されている日本語がヒットします。
どうして初級なら『プチ・ロワイヤル辞典』(仏和・和仏)、中級以上なら『ロベール仏和大辞典』かと言うと、そのヒットの仕方に違いがあるからです。
たとえば、それぞれの検索窓に「雨」と入れた場合、『ロベール仏和大辞典』の場合、例文の訳に「雨」が入っているものだけがヒットする。
これに対して、「辞書 by 物書堂」内の『プチ・ロワイヤル』(仏和・和仏をともに購入している場合)なら、まず『和仏辞典』の見出し語「雨」がヒットし、さらに『仏和辞典』の例文の訳に「雨」が入っているものも合わせてヒットします。
説明が少しややこしくなりましたが、『プチ・ロワイヤル仏和辞典』(第5版)と『プチ・ロワイヤル和仏辞典』(第3版)は、日本語で検索したときに仏和・和仏の双方から探すことができるので便利なわけですね。
ただし、見出し語自体の数や例文の充実という観点からすれば、やはり『ロベール仏和大辞典』の方が大辞典だけあって格上であり、中級以上になると『プチ・ロワイヤル仏和辞典・和仏辞典』アプリでは物足りなくなるはずです。
すでに書いたように、そもそも大辞典は専門性が高い人向けなので、最初は『プチ・ロワイヤル仏和辞典・和仏辞典』を使っておいて、物足りなく感じたときに『ロベール仏和大辞典』を買い足す、というのも一法だと思います。
おわりに 〜ちなみに小型辞書は?〜
フランス語を学ぶにあたっておすすめの辞書を紹介してきましたが、いかがでしたか?
辞書選びのポイントをおさらいすれば、フランス語で何がしたいのか(ただ単位が必要! というだけでももちろん立派な理由です)という目的をよく考えて、それに合ったものを選ぶこと、それからできるだけ新しい改訂版のものを選ぶことです。
ちなみに、もちろん他にもフランス語の辞書はたくさんあって、「学習辞典」よりも規模の小さいものから例を挙げれば、『デイリーコンサイス仏和・和仏辞典』『パスポート仏和・和仏小辞典』『ベーシッククラウン仏和・和仏辞典』『ポケットプログレッシブ仏和・和仏辞典』『ロベール・クレ仏和辞典』『ロワイヤル・ポッシュ仏和・和仏辞典』あたりが見つけやすいでしょうか。
とはいえ「おすすめ」かと言われると、そうでもありません。というのも、小辞典はしばしば例文がほとんどなく、意味が簡潔に記されているだけで、その程度ならばインターネットで検索できたりするからです。
安い買い物ではありませんが、フランス語上達には絶対に欠かせないツールなので、ぜひ自分の手に馴染む辞書にめぐり合ってくださいね!
ちなみに、その他のおすすめ教材一覧はこちらの記事↓でも紹介しているので、あわせてご覧ください!
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