【資料つき】フランス語の数字101〜10億までのスペル&発音記号
この記事では、フランス語の数字(101以降)のスペルとその正しい読み方をくわしく説明します。
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101から200までの数字
まずは100以降から。とはいえ、これは簡単で、100を意味する cent の後ろに下2ケタをつけるだけです。
一の位が1のときに un と une の区別があるのは、100までの数字と同じですね。
20を意味する vingt には基本的に s をつけず、下2ケタが 80 のときだけ quatre-vingts と s をつけるというルールにも注意しましょう。
なお、cent(100)という語については、200 や 300 など、200以上で下2ケタが 00 のときのみ、s がつきます。
ルールは以下の通りです。
cent は後に数詞またはmille が続くとき、および序数詞として用いられるときは s がつかない
101 | cent un(e) | [sɑ̃-œ̃/yn] | ※ 男性・女性の区別がある. また, cent は数詞の前ではリエゾンしないため, ×[sɑ̃-tœ̃] とはならない(以下同様) |
102 | cent deux | [sɑ̃-dø] | |
103 | cent trois | [sɑ̃-trwɑ] | |
… | |||
110 | cent dix | [sɑ̃-dis] | |
120 | cent vingt | [sɑ̃-vɛ̃] | ※ quatre-vingts も参照. vingtに複数のsはつかない |
130 | cent trente | [sɑ̃-trɑ̃ːt] | |
140 | cent quarante | [sɑ̃-ka-rɑ̃ːt] | |
150 | cent cinquante | [sɑ̃-sɛ̃-kɑ̃ːt] | |
160 | cent soixante | [sɑ̃-swa-sɑ̃ːt] | |
170 | cent soixante-dix | [sɑ̃-swa-sɑ̃t-dis] | |
180 | cent quatre-vingts | [sɑ̃-ka-trə-vɛ̃] | ※ quatre-vingts も参照. 下2桁が80の場合のみ, vingtに複数のsがつく(発音は [vɛ̃] ). |
190 | cent quatre-vingt-dix | [sɑ̃-ka-trə-vɛ̃-dis] | |
200 | deux cents | [dø-sɑ̃] | ※ 200, 300など, 端数を伴わないときはcentに s がつく. 後に数詞(またはmille)が続く場合, および序数詞として用いられる場合はsがつかない(page deux cent, numéro deux cent) |
ちなみに、フランス語の母音についてはこの動画↓で無料公開しています(ありがたいことに、現在約5万回再生!)。
本気になったら、早めにカタカナ発音を卒業して、発音記号をみて正しく読めるようにしましょう。
201から1.000までの数字
201から1000までの数字を見てみましょう。
200以上で下2ケタが 00 のときのみ、cent に s がつくという上で説明したルール通りになっています。
600と800では、少し注意が必要です。
6 [sis] シス、8 [ɥit] ユイット、(そして10 [dix] ディス)は、後ろに名詞や数詞が続くとき、最後の子音を発音しなくなります。
つまり、次のようになりますね。
6 [sis] シス → [si] シ
8 [ɥit] ユイット → [ɥi] ユイ
10 [dix] ディス → [di] ディ
なので、たとえば 600 は six cent [si-sɑ̃] シ ソン という発音になります。
400 や 500 の場合もこれと近い現象が起こることがありますが、下の表のように、これらを 400 [kat-sɑ̃] キャット ソン や 500 [sɛ̃-sɑ̃] サン ソン と読むかどうかは任意になります。
そして、1000 は mille[mil]ミル です。
201 | deux cent un(e) | [dø-sɑ̃-œ̃/yn] | ※ 男性・女性の区別がある. また, deux cents も参照. centは後に数詞が続く場合, sがつかない(以下同様) |
202 | deux cent deux | [dø-sɑ̃-dø] | |
203 | deux cent trois | [dø-sɑ̃-trwɑ] | |
… | |||
300 | trois cents | [trwɑ-sɑ̃] | ※ deux cents も参照. 端数がないときはcentにsがつく |
400 | quatre cents | [kat(rə)-sɑ̃] | ※ quatre も参照. [kat-sɑ̃] と発音することがある |
500 | cinq cents | [sɛ̃(k)-sɑ̃] | ※ cinqも参照. [sɛ̃-sɑ̃] と発音することがある |
600 | six cents | [si-sɑ̃] | ※ sixも参照. ×[sis-sɑ̃] ではない |
700 | sept cents | [sεt-sɑ̃] | |
800 | huit cents | [ɥi-sɑ̃] | ※ huit も参照. ×[ɥit-sɑ̃] ではない |
900 | neuf cents | [nœf-sɑ̃] | |
1.000 | mille | [mil] | ※ ×un mille とは言わない |
1.001から10.000までの数字
1001から10.000(1万)までの数字です。
1001 は mille un(e) [mil-œ̃/yn] ミル アン/ミル ユヌ ですね。× mille et un(e) ではないので注意しましょう。ちなみにこの表現は、後ろに名詞がくると「たくさんの」という意味になります。
les Mille et Une Nuits はアラビアンナイトの『千夜一夜物語』ですね。
mille という単語は、すでに複数の含みをもつため、2000、3000… となっても × milles(sつき)にはなりません。
6, 8, 10については後ろに名詞や数詞が続くとき、最後の子音を発音しなくなるのは、上と同様ですね。
8 [ɥit] ユイット → [ɥi] ユイ
10 [dix] ディス → [di] ディ
なので、たとえば 8000 は huit mille [ɥi-mil] ユイ ミル という発音になります。
4000 や 5000 については、下の表のように、これらを 4000 [kat-mil] キャット ミル や 5000 [sɛ̃-mil] サン ミル と読むかどうかは任意になります。
1.001 | mille un(e) | [mil-œ̃/yn] | ※ 男性・女性の区別がある. 1001はmille un(e) であり, ×mille et un(e)〔=これは特定の表現とともに「たくさんの」の意になる〕ではない. なお, 年号にはmilの表記を用いることがある |
1.002 | mille deux | [mil-dø] | |
1.003 | mille trois | [mil-trwɑ] | |
… | |||
1.100 | mille cent | [mil-sɑ̃] | |
1.200 | mille deux cents | [mil-dø-sɑ̃] | ※ deux cents も参照. 下2桁に端数を伴わないときはcentに s がつく(以下同様) |
1.300 | mille trois cents | [mil-trwɑ-sɑ̃] | |
… | |||
2.000 | deux mille | [dø-mil] | ※ mille に複数のsがつくことはない(語義的に mille がすでに複数形のため) |
3.000 | trois mille | [trwɑ-mil] | |
4.000 | quatre mille | [kat(rə)-mil] | ※ quatre も参照. [kat-mil] と発音することがある |
5.000 | cinq mille | [sɛ̃(k)-mil] | ※ cinqも参照. [sɛ̃-mil] と発音することがある |
6.000 | six mille | [si-mil] | ※ sixも参照. ×[sis-mil] ではない |
7.000 | sept mille | [sεt-mil] | |
8.000 | huit mille | [ɥi-mil] | ※ huit も参照. ×[ɥit-mil] ではない |
9.000 | neuf mille | [nœf-mil] | |
10.000 | dix mille | [di-mil] | ※ dix も参照. ×[dis-mil] ではない |
11.000から1.000.000.000〔=10億〕までの数字
最後に、11.000から1.000.000.000(10億)までの数字ですね。
大体の注意点は、すでに上に書いた通りです。200.000 deux cent mille は cent の後ろに mille が続くので × cents(sつき)にはなりませんね。
また、mille にはいかなる場合も s はつきません。
1.000.000(100万)un million [œ̃-mi-ljõ] アン ミリオン および 1.000.000.000(10億)un milliard [œ̃-mi-ljaːr] アン ミリヤール については、名詞なので、un をつけることになります。
(sが決してつかないmilleとの違いですね。)
200.000.000(2億)や300.000.000(3億)については、deux cents millions や trois cents millions のように、cent にsがつきます。
cent は後に数詞またはmille が続くとき、および序数詞として用いられるときは s がつきませんが、それ以外の場合(deux cents millionsのように、後ろに名詞がくるとき)は s がつくことになります。
ルールを復習しておきましょう。
cent は後に数詞またはmille が続くとき、および序数詞として用いられるときは s がつかない
11.000 | onze mille | [õːz-mil] | ※ deux milleも参照. mille に複数の s がつくことはない(以下同様) |
12.000 | douze mille | [duːz-mil] | |
13.000 | treize mille | [trεːz-mil] | |
… | |||
99.000 | quatre-vingt-dix-neuf mille | [ka-trə-vɛ̃-diz-nœf-mil] | |
… | |||
100.000 | cent mille | [sɑ̃-mil] | |
200.000 | deux cent mille | [dø-sɑ̃-mil] | ※ deux cents も参照. 後に数詞またはmille が続く場合, cent には s がつかない(以下同様) |
300.000 | trois cent mille | [trwɑ-sɑ̃-mil] | |
… | |||
1.000.000 | un million | [œ̃-mi-ljõ] | ※ millionは男性名詞なのでunが必要(deux millionsのように複数のsがつく). また, million(s) の後にはde を介して名詞をおく(un million d’habitants〔100万の人口〕) |
2.000.000 | deux millions | [dø-mi-ljõ] | |
3.000.000 | trois millions | [trwɑ-mi-ljõ] | |
… | |||
10.000.000 | dix millions | [di-mi-ljõ] | ※ dix も参照. ×[dis-mi-ljõ] ではない |
… | |||
100.000.000 | cent millions | [sɑ̃-mi-ljõ] | |
200.000.000 | deux cents millions | [dø-sɑ̃-mi-ljõ] | ※ centにsがつく |
… | |||
1.000.000.000 | un milliard | [œ̃-mi-ljaːr] | ※ milliardは男性名詞なのでunが必要(deux milliardsのように複数のsがつく). また, milliard(s) の後にはde を介して名詞をおく(deux milliards de dollars〔20億ドル〕) |
新書法(1990年)についての補足
最後に一点、表記についての補足をしておきます。
この記事では、数字の表記に、従来どおりの旧書法を用いてきました(当然ながら、今もそれは正しい書き方です)。
一方で、フランスでは1990年に新書法が定められ、これにより現在では、(従来は結ばれていなかった箇所でも)数詞の各部をトレデュニオン(-)でつなぐことが認められています。
つまり、cent un(e) や trois cent mille の代わりに cent-un(e), trois-cent-mille と書くことができるようになりました。
ただし、現在は両者の書き方がともに認められているため、どちらがより正しいということはありません。
どちらを見かけても驚かないようにしましょう。
まとめ&資料ダウンロード
とくに注意が必要なポイントを押さえつつ、101から10億までのスペルと発音を見てきました。
大きな数字は慣れないとイメージしにくいですが、整理すれば正しく覚えることができます。ぜひフランス語の数字をマスターしてくださいね!
この記事で説明した内容は以下↓から無料でダウンロードできるので、学習用や教授用などにご活用ください。
※※※ 1〜4ページ目は100までの数字を扱った記事内にあります! ※※※
また、こちらの動画↓でも数字を聞き流せるようにしているので、ぜひ参考にしてください。