これからフランス語の勉強を始めようとしている方へ、学習の進め方や準備するとよい教材・辞書についてのアドバイスです。
私、ふら塾の JUKUCHO は、今でこそ日々、授業でフランス語を教えていますが、やはり勉強を始めた頃がいちばん大変だったと思います。
そこで、自分の語学学習の反省や、授業での経験も踏まえつつ、効果的な学習方法やアクションプランをお伝えしようと思います。
目次にある6ステップでお話ししていきます。どれも対面の授業なら、初回にお話しするような内容です。
なお、この記事の内容は、ふら塾の動画でも聞くことができます↓↓
それでは順番に見ていきましょう。
毎日、時間をつくる
教室で教えていると、比較的時間のある学生でも、
毎日フランス語を勉強する人は多くないことが分かります。
まして、普段は仕事で忙しい人が、毎日時間をとるのは至難の業かも知れません。
でも、だからこそ、毎日時間を見つけられた人は強いです。
「空き時間ができたらフランス語!」と心に決めておけば、
「少し暇になったけど何をしようか」と迷う必要なく、フランス語に取りかかることができます。
記憶の定着には、「夜に覚えたことを、朝起きてすぐ思い出す」というサイクルが効果的なので、
おすすめは、寝る前と起きてすぐですが、通勤時間や食後の10分など、無理のない範囲で大丈夫です。
また、「今日は勉強はしんどいな」という日でも、
フランス語の歌を聴く、絵や映画を鑑賞する、フランスについて調べるなど、
なんでもよいので、できるだけ毎日、意識を向けてみましょう。
1日のうちで必ずフランス語に触れる時間を決めて、
これを習慣化できれば、上達への道は、すでに開かれていると言えるでしょう。
カタカナ発音で始めない
ここからは実践的なアドバイスです。
フランス語の発音は、英語などとは異なる部分が多く、
カタカナに頼ってしまうと正しく聞きとり、話すことが難しくなります。
「初心者だから最初はカタカナで・・・」と考える人が多いのですが、むしろ逆で、
初心者だからこそ、母音だけでも発音記号を頭に入れてから始められれば、長期的な学習効率が伸びるはずです。
というのも、フランス語には母音が基本的なものだけで16あるので、
母音が「5つ」の言語を母語とする話者が、ちゃんと通じるフランス語が出せる、
聞きとれるようになるには、きちんと意識する必要があります。
母音については、ふら塾の解説のなかでも人気の動画「保存版 フランス語の全母音」で丁寧に説明しているので、
騙されたと思って、まずはこれだけでも、見てから学習を始めてみてください。
詳細はこちらの動画に譲りますが、見てもらえれば、カタカナ発音はやめるべき理由がわかると思います。
単語帳を1冊 用意する
最初は単語数を増やしたいので、市販の単語帳が効率アップにつながるでしょう。ただし、そのときに注意点があります。
先ほどお話しした理由から、「発音記号がきちんと載っている単語帳」が断然おすすめです。
私が実際に見て、現時点でおすすめできるのは、以下に挙げている2冊です。
どちらもレイアウトが綺麗で、発音記号が載っており、初学者むけです。
なお、『仏検5級レベル重要単語』の方は5級対応、約500語収録、
『クラウン フランス語単語 入門』は仏検4級・5級対応で約1500語収録と、
レベルや語数に違いがあるので、ご自身の関心にあわせて選んでみてください。
ところで、
という質問をもらうことがあります。
最初はまず、フランス語をみて日本語の意味がすぐに浮かぶようになるまで、
繰り返し覚えていきましょう。ただし、1単語に時間をかけすぎず、代わりに何周もするのがおすすめです。
具体的には、1単語あたりせいぜい数十秒の制限時間を設けて、時間がきたら覚えられていなくても次に進みましょう。
人の記憶は、それを思い出そうとしているときに強く残ることが分かっています。
「あれ? あの言葉なんだっけ…」と考えるほど、じつは定着するのです。
ということは、1回にかける時間は短くても、何周も回した方が効果的ということですね。
また、単語帳には音声がついているので、これを利用して、単語が正しく発音できているかの確認も必要です。
自分が正しく読めない単語は、聞き取ることができません。
とくに最初のうちは、発音記号をみながら音声を聞いて、正しい読み方を身につけましょう。
なお、さらにレベルの高い使い方としては、日本語の方を見て、
フランス語がすぐに出てくるか、そしてスペルが正しく書けるかを確認する方法もありますね。
薄い文法書をざっと1周する
単語と併行して、文法も勉強するのが、日本の語学学習では一般的ですね。
まず大切なのは、「全体像をつかむこと」です。
フランス語には、動詞の活用や名詞の性と数など、いくつかの大きなポイントがあります。
しかし、最初からすべてを完璧に覚えようとすると、混乱してしまいます。
授業で先生に習える人はよいとして、とくに独学の場合、実践してほしいのが、
「薄めの文法書を用意し、ざっと1周してみる」ことです。
単語と同じで、一度で理解する必要はありません。
まずは、「フランス語文法ってこんな感じなんだ」と、早めにおおまかな流れを掴むのがよいでしょう。
「最初の文法書」として、現時点で個人的におすすめできるのが、ここに挙げた2冊です。
この2冊はどちらもやさしい言葉づかいで、読みもののようにフランス語文法に触れる手助けをしてくれます。
ただし、両者には内容に少し違いがあって、『ひとつひとつわかりやすく』の方は、
大学ならだいたい1年生の前期に扱う内容(つまり、仏検5級レベルまで)、
『わかりやすいにもホドがある!』の方は、1年生の前期・後期に扱う内容(つまり、仏検4級レベルまで)をカバーしています。
そのため、フランス語をちょっとお試しでやってみたいという人は『ひとつひとつわかりやすく』、
長く続ける予定がある人には『わかりやすいにもホドがある!』がよいでしょう。
どんなテキストで勉強するにしても、真面目な人ほど、細かい点にこだわって
「3章までしか進んでないのに疲れてしまった…」ということがよくあります。
「全部覚えなければ!」と気負う必要はありません。
基本的な枠組みをまず知ることが、2週目以降のスムーズな学習につながります。
辞書も持っておこう
さらに、本格的に勉強するなら、辞書も1冊、持っておきましょう。
単語や熟語の意味をすぐに調べられるのはもちろん、辞書を引く習慣をつけることで、
語彙の理解が深まり、自然と表現の幅も広がります。
辞書にもいろいろ種類があり、用途・レベル別のおすすめについては、こちらで紹介しています。
【最新版】フランス語学習におすすめの紙辞書・電子辞書7選フランス語学習の座右に必ず置いておきたいのが辞書!先生に聞いてみるとしても、自分のなかでポイントをしぼってから尋ねると、的確に答えてもらえるかも知れません。[…]
とはいえ、「どの辞書を選んだらよいか分からない!」という人に、
現時点で広くおすすめできるものを挙げるなら、『プチ・ロワイヤル仏和辞典 第5版』でしょう。
辞書は、誤植の修正や新しい語彙の収録といった点で、出版年が新しいものが信頼できます。
初学者用に語数を調整した学習辞典で、文法説明にも定評があり、
また会話表現が枠囲みで見やすいレイアウトになっているなど、使い勝手がいいのが特徴です。
また、内容はまったく同じで紙面が少し小さい小型版もあります。
ちなみに、この辞書にはアプリ版もありますが、初心者には紙辞書をおすすめします。
というのも、フランス語には多義語が多くあり、最初のうちほど、紙面全体がパッと目に入って、
かつ出会った意味や用例にペンで線を引けたりする方が、結果的にメリットが大きいからです。
目標を立てて、続ける
これだけ用意ができたら、準備は万全です。
あとは、毎日確実に時間をつくって続けていきましょう。最後に、楽しんで勉強するためのコツを紹介します。
小さくてもよいので、必ず目標を立てましょう。
できなかったことが、できるようになって、モチベーションが上がる、というサイクルは誰にとっても重要です。
たとえば、「今日は単語を10個覚える」「テキストを1章進める」というものでもいいですし、
仏検の受験を目標にするのもよい方法です。
仏検は、フランス語の基礎力を測るのに最適な試験で、日程が決まっていることで、
「いつまでに何を学ぶか」という計画が立てやすくなりますね。
試験に合格することが最終目的ではなく、あくまでも学習の過程と捉えて、うまく使ってみましょう。
試験以外にも、「自己紹介ができるようになる」「この歌が歌えるようになる」「この本を読み進める」など、
自分に合った目標を決めて取り組んでいる人の方が、なんとなく勉強している人よりも、楽しく、継続できているのが、授業をしていても分かります。
フランス語は、最初は難しく感じるかもしれませんが、理解できるようになると、
どんどん楽しくなっていきます。焦らず、自分のペースで進めていきましょう!
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