【資料つき】フランス語の数字100までのスペル&発音記号まとめ

【資料つき】フランス語の数字100までの発音記号&スペルまとめ

フランス語の特徴は、きれいな響きと独特な発音です。

数字も例外ではありません。

この記事では、フランス語の数字のスペルとその正しい読み方をくわしく紹介します。

また、0から100までの数字のポイントをまとめた資料を、無料でダウンロードできるようにしているので、是非あわせてご覧ください。

フランス語初心者はもちろん、フランス語を教える先生方にも役立つ内容にしています。

じゅくせい
フランス語の数字がわかりません!

 

JUKUCHO
まずは1〜100まで、ポイントを絞って発音とスペルを押さえましょう!

0〜10の数字

まずは0から10まで、カタカナ表記も織り交ぜつつ、丁寧に見ていきましょう。

JUKUCHO
学校の授業で数字を扱うときも、最初はまず0〜10だけ、しっかり見ることにしています

0、1、2、3は「ゼロ」(zéro)、「アン」(un)、「ドゥ」(deux)、「トロワ」(trois) で、聞いたことがある人が多いかも知れません。

フランス語では、2のように、基本的には語末の子音字(deux の場合は x)を発音しません

ただし、4が「キャトル」(quatre)なのはよいとして(フランス語では語末の e も発音しません)、

5〜10 では例外的に、語末の子音字を読むので注意が必要です。つまり、

・5は「サンク」(cinq) ※「ク ku」ではなく、「k」と子音で止める
・6は「シス」(six) ※「ス su」ではなく、「s」と子音で止める
・7は「セット」(sept) ※「トto」ではなく、「t」と子音で止める。また、語中の p も例外的に発音しません!
・8は「ユィット」(huit) ※同じく「t」と子音で止める。
・9は「ヌフ」(neuf) ※「フfu」ではなく、「f」と子音で止める。
・10は「ディス」(dix) ※「ス su」ではなく、「s」と子音で止める

のように発音します。

最初はカタカナ発音でもよいでしょう。ですが、注意書き(※)で書いたように、本当は微妙に音が違います

なので、もしフランス語をしっかり勉強するなら、できるだけ早く発音記号で覚えるようにすることをおすすめします。

とくに母音の発音は、フランス語では日本語の3倍近くあり、意識して発音しないと本当に通じないからです。

フランス語の母音については、ふら塾のこの動画↓で無料公開しています(ありがたいことに、現在約3万回再生!)。

本気になったら、早めにカタカナ発音を卒業してください。

…ということで、0から10までの数字を発音記号で書くと、次のようになります(太字は注意すべき発音)。

この記事では、以下、おもに発音記号で説明することにします。

0zéro[ze-ro]
1un(e)[œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある
2deux[dø]
3trois[trwɑ]
4quatre[katr]※ 後に名詞が続く場合, それが子音・有音のhから始まる語なら [kat] と発音することがある. 母音・無音のhから始まる語なら [katr] のまま
5cinq[sɛ̃ːk]※ 語末の子音字qを発音する. 後に名詞が続く場合, それが子音・有音のhから始まる語なら [sɛ̃] と発音することがある. 母音・無音のhから始まる語なら [sɛ̃ːk] のまま
6six[sis]※ 語末の子音字xを発音する. 後に名詞が続く場合, それが子音・有音のhから始まる語なら [si] と発音する. 母音・無音のhから始まる語なら [siz] とリエゾンする
7sept[sεt]※ 語末の子音字tを発音する. ただしp は発音しない
8huit[ɥit]※ 語末の子音字tを発音する. 後に名詞が続く場合, それが子音・有音のhから始まる語なら [ɥi] と発音する. 母音・無音のhから始まる語なら [ɥit] のまま
9neuf[nœf]※ 語末の子音字fを発音し,これはneuf ans [nœ-vɑ̃]〔9年〕, neuf heures [nœ-vœːr]〔9時〕など, 限られた名詞が続く場合のみ [nœv] とリエゾンする
10dix[dis]※ 語末の子音字xを発音する. 後に名詞が続く場合, それが子音・有音のhから始まる語なら [di] と発音する. 母音・無音のhから始まる語なら [diz] とリエゾンする

 

0〜10に関するいくつかの注意点

少し細かい話になりますが、10までの数字にはさらに注意点があります。

まず、1 は不定冠詞と同じで、男性名詞の前ならば「アン」(un)、 女性名詞を数えるときは「ユヌ」(une) になります。

4は基本的には [katr] ですが、子音や有音のhから始まる語の前では [kat] と発音する人もいるので、最後の [tr] が聞こえなくても驚かないようにしましょう。

5, 6, 8, 10 については、後ろの単語が子音や有音のhから始まる場合、それぞれ、[sɛ̃] [si] [ɥi] [di] と語末を読まなくなるので気をつけましょう。

また、6, 10 は、後ろの語が母音や無音のhから始まる場合、それぞれ [siz] [diz] と発音が変化します。

なお、9 はneuf ans(9年), neuf heures(9時)など、限られた名詞が続く場合のみ [nœv] とリエゾンします。

11〜20の数字

11〜20のスペルと発音を見てみましょう。

こちらも、カタカナでの読みを念のため書いておきます。

・11は「オーンズ」(onze)
・12は「ドゥーズ」(douze)
・13は「トレーズ」(treize)
・14は「キャトルズ」(quatorze)
・15は「キャンズ」(quinze)
・16は「セーズ」(seize)
・17〜19は、それぞれ10+7, 10+8, 10+9です。
「ディセット」(dix-sept)「ディズュィット」(dix-huit)「ディズヌフ」(dix-neuf)
※フランス語では音が繋がる傾向にあるので、「ディス・セット」「ディス・ユィット」「ディス・ヌフ」ではなく、微妙に変化している点に注意
・20は「ヴァン」(vingt)

発音記号では、次のようになります。

11onze[ɔ̃ːz]
12douze[duːz]
13treize[trεːz]
14quatorze[ka-tɔrz]
15quinze[kɛ̃ːz]
16seize[sεːz]
17dix-sept[di(s)-sεt]※ septも参照
18dix-huit[di-zɥit]※ huitも参照. また, [zɥit] となることに注意
19dix-neuf[diz-nœf]※ neufも参照. また, [diz] となることに注意
20vingt[vɛ̃]※ 語末のtは発音しない. ただし, 母音または無音のhで始まる語の前,および21〜29については [vɛ̃t] と発音する

21〜40の数字

21から40までは、基本的な数の単位を組み合わせて表現されます。

21だけは「ヴァンテアン(ヴァンテユヌ)」vingt et un(e) と et をはさみ、男性・女性がありますが(vingtとetの音がつながることに注意)、22以降は20+2、20+3 … の要領で言います。

30はtrente(トロント、のような音) で、やはり31のみtrente et un(e)(トロンテアン (トロンテユヌ))とetをはさみ、32以降は30+2、30+3… の形式で続きます。

40はquarante(キャロント、のような音)です。

ここまでを発音記号で示すと、次のようになります。

21vingt et un(e)[vɛ̃-te-œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある. またetの前後に – は不要.

[vɛ̃-te] の発音にも注意
22vingt-deux[vɛ̃t-dø]※ [vɛ̃t] と [t] を発音する

(29まで, 以下同様)

23vingt-trois[vɛ̃t-trwɑ]
24vingt-quatre[vɛ̃t-katr]
25vingt-cinq[vɛ̃t-sɛ̃ːk]
26vingt-six[vɛ̃t-sis]
27vingt-sept[vɛ̃t-sεt]
28vingt-huit[vɛ̃-tɥit]※ [tɥit] となることに注意
29vingt-neuf[vɛ̃t-nœf]
30trente[trɑ̃ːt]※ [trɑ̃ːt] と [t] を発音する

(39まで, 以下同様)

31trente et un(e)[trɑ̃-te-œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある. またetの前後に – は不要.

[trɑ̃-te] の発音にも注意
32trente-deux[trɑ̃t-dø]
33trente-trois[trɑ̃t-trwɑ]
34trente-quatre[trɑ̃t-katr]
35trente-cinq[trɑ̃t-sɛ̃ːk]
36trente-six[trɑ̃t-sis]
37trente-sept[trɑ̃t-sεt]
38trente-huit[trɑ̃-tɥit]※ [tɥit] となることに注意
39trente-neuf[trɑ̃t-nœf]
40quarante[ka-rɑ̃ːt]※ [ka-rɑ̃ːt] と [t] を発音する(49まで, 以下同様)

41〜60の数字

41から60までは、これまでと同じ要領なので、さほど難しくないでしょう。

41は「キャロンテアン(キャロンテユヌ)」quarante et un(e) となります。21、31と同じく et が入り、男性形と女性形がありますね。

42以降は、40+2、40+3… という形になります。

50は「サンコント」cinquanteとなります。スペルに注意しましょう。51は「サンコンテアン(サンコンテユヌ)」cinquante et un(e)

これまでに倣って、52以降は、50+2、50+3… です。

そして60は「スワサント」soixante となります。

発音記号で確認してみましょう。

41quarante et un(e)[ka-rɑ̃-te-œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある. またetの前後に – は不要.

[ka-rɑ̃-te] の発音にも注意
42quarante-deux[ka-rɑ̃t-dø]
43quarante-trois[ka-rɑ̃t-trwɑ]
44quarante-quatre[ka-rɑ̃t-katr]
45quarante-cinq[ka-rɑ̃t-sɛ̃ːk]
46quarante-six[ka-rɑ̃t-sis]
47quarante-sept[ka-rɑ̃t-sεt]
48quarante-huit[ka-rɑ̃-tɥit]※ [tɥit] となることに注意
49quarante-neuf[ka-rɑ̃t-nœf]
50cinquante[sɛ̃-kɑ̃ːt]※ [sɛ̃-kɑ̃ːt] と [t] を発音する(59まで, 以下同様)
51cinquante et un(e)[sɛ̃-kɑ̃-te-œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある. またetの前後に – は不要.

[sɛ̃-kɑ̃-te] の発音にも注意
52cinquante-deux[sɛ̃-kɑ̃t-dø]
53cinquante-trois[sɛ̃-kɑ̃t-trwɑ]
54cinquante-quatre[sɛ̃-kɑ̃t-katr]
55cinquante-cinq[sɛ̃-kɑ̃t-sɛ̃ːk]
56cinquante-six[sɛ̃-kɑ̃t-sis]
57cinquante-sept[sɛ̃-kɑ̃t-sεt]
58cinquante-huit[sɛ̃-kɑ̃-tɥit]※ [tɥit] となることに注意
59cinquante-neuf[sɛ̃-kɑ̃t-nœf]
60soixante[swa-sɑ̃ːt]※ [swa-sɑ̃ːt] と [t] を発音する(79まで, 以下同様)

61〜80の数字

60台の数字はこれまでと同様ですが、70台が少し変わってきます。

まず、61は「スワサンテアン(スワサンテユヌ)」 soixante et un(e)です。et が入り、男性形と女性形がある点もこれまでと同じです。

62以降は、60+2、60+3… の要領でつくります。

これまでと違うのは70以降で、70は「スワサントディス」soixante-dix、つまり60+10 と表現します。

以降71、72… は「スワサンテオンズ」soixante et onze(etが入る点にも注意)、 「スワサントドゥーズ」soixante-douze… と60+11、60+12… の形となります。

11〜19の発音はすでに上で見ましたね。79は「スワサントディズヌフ」soixante-dix-neuf

そして、これまたトリッキーですが、80は「キャトルヴァン」quatre-vingts(80ではvingtにsがつくスペルにも注意)。つまり 4×20 と考えることになります。

次の表で、発音記号についても確認してください。

61soixante et un(e)[swa-sɑ̃-te-œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある. またetの前後に – は不要.

[swa-sɑ̃-te] の発音にも注意
62soixante-deux[swa-sɑ̃t-dø]
63soixante-trois[swa-sɑ̃t-trwɑ]
64soixante-quatre[swa-sɑ̃t-katr]
65soixante-cinq[swa-sɑ̃t-sɛ̃ːk]
66soixante-six[swa-sɑ̃t-sis]
67soixante-sept[swa-sɑ̃t-sεt]
68soixante-huit[swa-sɑ̃-tɥit]※ [tɥit] となることに注意
69soixante-neuf[swa-sɑ̃t-nœf]
70soixante-dix[swa-sɑ̃t-dis]
71soixante et onze[swa-sɑ̃-te-ɔ̃ːz]※ etの前後に – は不要.

[swa-sɑ̃-te] の発音にも注意
72soixante-douze[swa-sɑ̃t-duːz]
73soixante-treize[swa-sɑ̃t-trεːz]
74soixante-quatorze[swa-sɑ̃t-ka-tɔrz]
75soixante-quinze[swa-sɑ̃t-kɛ̃ːz]
76soixante-seize[swa-sɑ̃t-sεːz]
77soixante-dix-sept[swa-sɑ̃t-di-sεt]
78soixante-dix-huit[swa-sɑ̃t-di-zɥit]※ [zɥit] となることに注意
79soixante-dix-neuf[swa-sɑ̃t-diz-nœf]※ [diz] となることに注意
80quatre-vingts[ka-trə-vɛ̃]※ 現代では下2桁が80の場合のみ, vingtに複数のsがつく(子音字 t は発音しない). 81〜99など後に数詞が続く場合, および序数詞「80番目の」として用いられる場合はsがつかない(page quatre-vingt, numéro quatre-vingt)



81〜100の数字

81〜99の構成は、61〜80までと似ています。

ただし、81は「キャトルヴァンアン(キャトルヴァンユヌ)」quatre-vingt-un(e)と男性・女性があるのは同じですが、et が入らない点で21、31、41、51、61と異なります。

82以降は、80+2、80+3… の形で、これまでとさほど違いません。
ただし、81以降はquatre-vingtの部分についてvingtにsがつかず、また20台の数字とは違って「ヴァント」ではなく「ヴァン」の発音になる(tを発音しない)など、細かい相違点もあります。

89は「キャトルヴァンヌフ」quatre-vingt-neuf。つまり80+9ですね。

90は80+10で、「キャトルヴァンディス」quatre-vingt-dixとなります(70 (=60+10)と同じ作り方です)。

以降、91、92… は「キャトルヴァンオンズ」quatre-vingt-onze(etは入りません)、 「キャトルヴァンドゥーズ」quatre-vingt-douze… と80+11、80+12… となります。

それゆえ、99は「キャトルヴァンディズヌフ」quatre-vingt-dix-neuf、そして100 cent は「ソン」のように聞こえるでしょう。

以下に表記と発音を示しておきます。

81quatre-vingt-un(e)[ka-trə-vɛ̃-œ̃/yn]※ 男性・女性の区別がある. 21, 31, 41, 51, 61とは異なり, 表記にetは入らず, かつ – が必要. また, vingtにsはつかず、子音字 t は発音しない
82quatre-vingt-deux[ka-trə-vɛ̃-dø]※ 20台の数字とは異なり, vingtを ×[vɛ̃t] と発音しない(99まで, 以下同様)
83quatre-vingt-trois[ka-trə-vɛ̃-trwɑ]
84quatre-vingt-quatre[ka-trə-vɛ̃-katr]
85quatre-vingt-cinq[ka-trə-vɛ̃-sɛ̃ːk]
86quatre-vingt-six[ka-trə-vɛ̃-sis]
87quatre-vingt-sept[ka-trə-vɛ̃-sεt]
88quatre-vingt-huit[ka-trə-vɛ̃-ɥit]※ 28, 38, 48, 58, 68とは異なり, ×[tɥit] にはならない
89quatre-vingt-neuf[ka-trə-vɛ̃-nœf]
90quatre-vingt-dix[ka-trə-vɛ̃-dis]
91quatre-vingt-onze[ka-trə-vɛ̃-ɔ̃ːz]※ 71とは異なり, 表記にetは入らない
92quatre-vingt-douze[ka-trə-vɛ̃-duːz]
93quatre-vingt-treize[ka-trə-vɛ̃-trεːz]
94quatre-vingt-quatorze[ka-trə-vɛ̃-ka-tɔrz]
95quatre-vingt-quinze[ka-trə-vɛ̃-kɛ̃ːz]
96quatre-vingt-seize[ka-trə-vɛ̃-sεːz]
97quatre-vingt-dix-sept[ka-trə-vɛ̃-di-sεt]
98quatre-vingt-dix-huit[ka-trə-vɛ̃-di-zɥit]※ [zɥit] となることに注意
99quatre-vingt-dix-neuf[ka-trə-vɛ̃-diz-nœf]※ [diz] となることに注意
100cent[sɑ̃]※ ×un cent とは言わない

新書法(1990年)についての補足

最後に一点、表記についての補足をしておきます。

この記事では、数字の表記に、従来どおりの旧書法を用いてきました(当然ながら、今もそれは正しい書き方です)。

一方で、フランスでは1990年に新書法が定められ、これにより現在では、(従来は結ばれていなかった箇所でも)数詞の各部をトレデュニオン(-)でつなぐことが認められています。

つまり、vingt et un(e)やtrente et un(e)の代わりにvingt-et-un(e)、trente-et-un(e)と書くことができるようになりました。

ただし、現在は両者の書き方がともに認められているため、どちらがより正しいということはありません。

どちらを見かけても驚かないようにしましょう。

まとめ&資料ダウンロード

とくに注意が必要なポイントを押さえつつ、0から100までのスペルと発音を見てきました。

フランス語は20進法の名残から、数字の構成が日本語と異なる特徴を持っています。また最初は発音やスペルも慣れないものが多いでしょう。

とはいえ、練習を重ねることで、これらは正しく覚えることができます。継続的な学習を通じて、フランス語の数字をマスターしましょう。

この記事で説明した内容は以下↓から無料でダウンロードできるので、学習用や教授用などにご活用ください。

1ページ目
【資料】フランス語の数字と発音(8分の1)

2ページ目
【資料】フランス語の数字と発音(8分の2)

3ページ目
【資料】フランス語の数字と発音(8分の3)

4ページ目
【資料】フランス語の数字と発音(8分の4)

また、こちらの動画↓でも1〜100までの数字を聞き流せるようにしているので、ぜひ参考にしてください。

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